彼女の経営手腕が最も色濃く発揮されているのが、栃木県大田原市に広がる「NASU FARM VILLAGE」の運営だ。廃業の危機に瀕していた牧場を引き継ぎ、人手不足と巨額の維持費に頭を抱えながらも、持続可能なビジネスモデルへと再構築を果たした。引退馬の殺処分という構造的課題に正面から向き合い、殺処分対象となる馬たちを保護・飼育する場としての機能を確立させた意義は大きい。
現在、同施設は単なる保護牧場にとどまらず、地域経済を循環させるアグリツーリズム・観光牧場事業の先駆けとして全国から熱い視線を浴びている。オーガニックカフェの運営やオリジナル商品の展開、体験型観光プログラムの提供により、年間を通じて多くの観光客が訪れる拠点へと成長を遂げた。地方創生と動物愛護を高度に融合させたこのモデルは、農林水産業関係者からも高く評価されている。