なぜ、これほどリスクを冒してまで路上に立ち続ける若者が増えているのか。その背後には、社会的な孤立と経済的な困窮が複雑に影を落としている。現場での聞き取り調査や関係機関の報告によると、路上に立つ女性の多くは10代後半から20代前半の若年層だ。家庭内暴力(DV)や虐待から逃れて居場所を失った者、あるいは悪質ホストクラブでの過度な売掛金(借金)の返済に追われ、当面の現金を得るために路上に追い詰められたケースが目立つ。
厚生労働省の生活困窮者支援事業や若者相談窓口のデータを見ても、住まいや就労機会を失った若年女性からの相談件数は高止まりしている。ノンフィクション作家の石井光太氏は、著書や取材を通じてこうした若者の「漂流する生きづらさ」を繰り返し警告してきた。売春という行為そのものへの心理的ハードルがSNSの普及によって低下し、手軽な副業感覚で路地に足を踏み入れるケースも少なくない。社会問題・事件報道の現場において、単なる犯罪者としてではなく、構造的被害者としての側面を視野に入れた取材が求められている。