世界的事件の中心人物となったバージニア・ジュフリー氏の経歴を紐解くと、巨大な権力ネットワークがいかにして脆弱な若者を罠に嵌めたのかが見えてきます。1983年生まれの彼女は、フロリダ州パームビーチにある高級会員制リゾート「マール・ア・ラーゴ」でスパのロッカー係として働いていた2000年夏(当時16歳)、富豪の社交界を取り仕切っていたギレーヌ・マクスウェルに声をかけられました。
マクスウェルは「専属のマッサージ師として高収入が得られる」と甘言を弄し、少女をジェフリー・エプスタインの豪邸へ引き入れました。しかし、そこで待っていたのは教育や雇用の機会ではなく、組織的な性暴力と心理的支配でした。彼女はエプスタイン自身のターゲットにされただけでなく、エプスタインが自らの人脈を拡大・維持するための「接待の道具」として、ニューヨーク、ニューメキシコ、米領ヴァージン諸島、ロンドンなどへプライベートジェットで同行させられることになります。
当時の状況について彼女は後に、「逃げ出せば家族に危害が及ぶと脅され、完全にマインドコントロールされていた」と証言しています。未成年者を搾取するこのシステムは、富と特権階級の庇護のもとで長年にわたり隠蔽され続けました。