「カレーだから何を入れても美味しくなるだろう」と、日本のカレーの三種の神器である玉ねぎ・じゃがいも・にんじんをグリーンカレーに入れてしまうケースが散見されます。しかし、これは本場の味わいを損ねる典型的な落とし穴です。
特に玉ねぎは危険です。加熱によって大量の水分と強い甘味が出汁のように溶け出すため、グリーンカレー特有のエッジの効いた青唐辛子の辛味と、レモングラスやバイマックルーのシャープな酸味・香りを打ち消してしまいます。結果として「甘くてぼやけた薄いスープ」になり果ててしまうのです。
また、じゃがいもはデンプン質がスープに溶け出し、サラッとした喉越しであるべきゲーン(汁物)にとろみをつけてしまいます。デンプンがココナッツオイルの粒子と結合すると、口当たりが重くなり、本場特有の爽快感が消失します。
もし根菜類を取り入れたい場合は、じゃがいもではなくれんこん(食感が残りデンプン流出が少ない)や、甘味の質が異なるかぼちゃ・ズッキーニをソテーしてトッピングする形をとるのが賢明なアプローチです。