不織布マスクが高い捕集性能を発揮する秘密は、内部構造にある「静電フィルター」だ。単なる物理的な網目だけでなく、静電気の力によって目に見えないミクロの粒子を吸着する。
ここにアルコールが付着した瞬間、破滅的な変化が起きる。液体の有機溶媒が静電気の帯電状態を中和し、電荷を奪い去るのだ。一度電荷を失ったフィルターは、粒子を捕らえる引き寄せ力を二度と取り戻せない。水洗いでも徐々に能力は低下するが、エタノールをはじめとするアルコール類は一瞬で静電気を打ち消す。消毒のつもりのスプレー噴霧は、自らマスクの心臓部を破壊しているに等しい。