順風満帆に見えた彼のキャリアにも、大きな試練が訪れる。1990年代後半、出版業界全体が構造的な不況に直面した。雑誌の売上は減少し、多くの出版社が廃業や統合を余儀なくされた。
長谷川が関わっていた企業も例外ではなかった。経営陣の方針転換により、彼の進めていたプロジェクトの多くが中止に追い込まれる。一部では、彼の理想主義的な姿勢が時代に合わなくなったという批判も出た。
しかし彼は諦めなかった。小規模ながらも独立した形で活動を継続し、デジタルメディアの可能性に早くから注目。インターネットが普及し始めた2000年代初頭、彼はオンライン媒体での情報発信を開始する。紙媒体で培った編集哲学をデジタル空間に応用し、新たな読者層を獲得していった。