格式ある社交空間に足を踏み入れる際、何よりも問われるのが立ち居振る舞いのマナーです。基本となるのはTPOに合わせたドレスコードの遵守です。
多くの高級サロンやバーでは「スマートカジュアル」または「ジャケット着用」が指定されます。男性であれば仕立ての良いジャケットと革靴、女性であれば上品なワンピースやセットアップが基本となり、サンダルやショートパンツ、ダメージジーンズなどは厳禁です。身だしなみは自己主張のためではなく、「その場にいる相手や店側への敬意」を表すための身だしなみと捉えるのが大人の常識です。
この考え方は、社交ダンスにおけるマナーの精神とも完全に一致します。社交ダンスで最も重要とされるのは、パートナーの動きを感じ取り、無理な力をかけずに心地よい距離感(パーソナルスペース)を保つ配慮です。会話の場においても、一方的に自分の自慢話を語るのではなく、相手の言葉に耳を傾け、心地よいテンポでキャッチボールを交わす――この「相手ファースト」の姿勢こそが、紳士淑女に求められる普遍の教養です。