かつて2010年代半ばに一世を風靡した「塩顔」の定義は、一重または奥二重のすっきりとした目元、シャープな輪郭、色白の肌といった物理的特徴に集約されていた。しかし、2026年現在のトレンドはさらに多面的だ。単に「薄い」だけではない。内に秘めた知性と凛とした佇まい、そしてジェンダーの境界を軽やかに踏み越える柔軟さが加わり、表現としての強みが増している。
とりわけ、欧米をはじめとする海外エンタメ市場における評価の急上昇は見逃せない。濃密な彫りの深さを誇る従来のハリウッド型ヒーロー像に対し、静けさと感情の揺らぎを緻密に表現できるアジア発のビジュアルスタイルが、世界中の視聴者を魅了している。派手さよりも深み。時代は確実に静かなる個性を求めている。