1980年代後半、フジテレビ系列で放送が始まった『志村けんのだいじょうぶだぁ』。そのアイコンとなった打楽器の誕生には、妥協を許さない番組制作陣のこだわりが詰まっていた。所属事務所であるイザワオフィスと美術スタッフが何度も試作を重ね、コント番組の現場で最も響きが良い軽量なボディと皮の張りを追求したとされる。
『ドリフ大爆笑』などの前身番組で培われた舞台装置のノウハウがあったからこそ、あの一見単純でいながら強烈な存在感を放つ造形が生まれた。単なる既製品の楽器ではなく、喜劇役者・志村けんの繊細な手の動きに追従する専用の小道具として仕立て上げられていたのだ。