彼の魅力を語る上で絶対に外せないのが、近年の「時代劇」における目覚ましい躍進だ。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で見せた公暁役は、全国の視聴者に戦慄を与えた。父・源頼家を殺された情念と悲劇的な運命を背負い、源実朝を討ち取るクライマックス。憎悪と孤独に狂おしく身を焦がす演技は、大河ドラマ史に残る圧巻の名シーンとなった。
さらに、北野武監督が手掛けた映画『首』でも、緊迫した時代劇の文脈の中で存在感を如何なく発揮。乱世に生きる人間の業や非情さを、重厚かつ鮮烈な佇まいで表現してみせた。殺陣のしなやかさだけでなく、当時の人間が抱えていた生への渇望や死生観を腹に落とし込んだ演技は、若手俳優の域を完全に脱している。