心身のオン・オフを司る交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、血管の収縮不全、血中酸素の運搬停滞、消化器官の機能低下が連鎖的に発生します。これが、多くの人が悩まされる自律神経の乱れの症状と改善法における最初のチェックポイントです。活動モードである交感神経が夜間も過剰に張り詰め、リラックスモードの副交感神経へバトンタッチできなくなると、疲労物質の代謝が滞り、翌朝のだるさや慢性疲労として表面化します。
見逃されがちな決定的要因が「脳腸相関(のうちょうそうかん)」と呼ばれる生体ネットワークです。神経伝達の安定を保ち、精神の安らぎを生み出す通称“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンを増やす食べ物の重要性が叫ばれていますが、実は体内セロトニンの約90%は腸内で生成されています。腸内環境が荒れている状態では、いくら休養をとっても脳へ届くシグナルが乱れ、情緒不安定や集中力の欠如を招いてしまいます。
さらに、不規則な食事や過剰な精製糖の摂取による「血糖値の乱高下」が、自律神経系に深刻な打撃を与えます。急激に上昇した血糖値を下げるためにインスリンが大量分泌され、低血糖に陥ると、脳は危機を察知してアドレナリンやコルチゾールを放出。結果として交感神経が暴走し、激しいイライラや手の震え、突発的な倦怠感に襲われる悪循環に陥るのです。日々の食事を見直すことは、まさに神経回路の暴走を止める最も確実な安全弁と言えます。