IUT理論をめぐる議論の中で最も大きな波紋を呼んだのが、フィールズ賞受賞者であるドイツのピーター・ショルツ教授らによる反論だ。ショルツ教授とジェイコブ・スティックス教授は、論文の核心部分にある論理の飛躍を指摘し、「証明として成立していない」とする見解を発表した。彼らは望月教授と直接議論を行ったものの、溝が埋まることはなかった。
望月教授側は、ショルツ氏らの理解不足や従来概念への過度な固執が誤解の原因であると主張。双方の主張は平行線をたどり、数学界に前代未聞の「平行世界」を生み出すこととなった。権威ある数学者同士がまったく異なる結論に至るというこの事態は、単なる学説の対立を超え、数学の証明とは何かという哲学的問いすら投げかけている。