火災の兆候(煙の臭い、視界の遮り、熱気など)が一切ないことを確認した上で、建物内の共用部(エントランスや管理人室付近)に設置されている「自動火災報知設備の受信機(火災受信機)」へ向かいます。パニックを防ぎ、確実に音を止めるための標準的な手順は以下の通りです。
まず受信機の扉を開けると、盤面に複数のスイッチと表示灯が並んでいます。ここで焦って触れてはならないのが非常ベル復旧ボタンです。火災信号をリセットしてしまうと、どの感知器が作動したのかというログが消え、原因究明が不可能になります。
音を止めるための決定的な操作手順は次の3ステップです。
ステップ1:作動地区の確認
受信機の発火表示灯(赤色)が点灯している番号や、液晶パネルに表示されている「〇階 廊下」「〇号室」などの発信場所をメモまたはスマートフォンで撮影して記録します。
ステップ2:受信機自体のブザーを止める(非常ベル主音響停止)
盤面にある「主音響停止」スイッチ(またはボタン)を押します。これにより、受信機本体から鳴っている「ピーピー」という高音ブザーが停止します。
ステップ3:建物全体のベルを止める(地区音響停止ボタンの操作)
続いて「地区音響停止」スイッチを押します。これにより、各フロアの廊下や階段に設置されているベル(非常ベル)が停止します。近年の機器では「地区音響一時停止」となっている場合があり、一定時間(数分〜十数分)経過すると安全確保のために再鳴動する設計になっている機種も多く存在します。
この2つのボタンを押すことで、現場の騒音は一旦収まります。ただし、この状態は「警報音を一時的に消音しただけ」であり、火災信号自体が解除されたわけではない点に留意してください。