生きたイカが手に入らない都市部の家庭であっても、諦める必要はない。近隣の鮮魚店やスーパーマーケットで手に入る高鮮度な「刺身用スルメイカ」を用いれば、本格派に迫るイカの沖漬け自宅レシピを安全に再現できる。
自宅仕込みにおける手順は以下の通りである。まず、胴体の中に指を入れ、内臓と胴体を繋いでいる結合部を優しく外して足ごとキモを引き抜く。墨袋を破らないように慎重に切り離し、軟骨を取り除く。胴体の外皮は剥かずにそのままキッチンペーパーで水分を徹底的に拭き取る。ここで水洗いを過度に行うと水っぽくなり雑菌繁殖の原因になるため、汚れやぬめりをペーパーで拭き取る程度に留めるのがコツである。
密閉可能なジッパー付き保存袋に下処理を終えた胴体とゲソ、無傷のキモを入れ、あらかじめ冷やしておいた黄金比タレを注ぐ。空気をしっかり抜いて密閉し、冷蔵庫のチルド室で約6〜8時間漬け込む。生きたイカのような自己吸引は望めないものの、キモの周りにタレが浸透し、身全体にしっとりとした醤油のコクが回る。そして、この後に絶対に行わなければならないのが、次節で詳述する「冷凍処理」である。