加熱すると果汁のごとく溢れ出す蜜。一般的なさつまいもの生芋状態での糖度が10度前後、加熱後でも15〜20度程度にとどまるのに対し、じっくり熱を通した安納芋の糖度は時に40度を超容する。マンゴーや完熟メロンすら凌駕するこの驚異的な数値は、決して偶然の産物ではない。
鍵を握るのは、芋の内部に含まれるデンプン分解酵素「β-アミラーゼ」の活性度と、豊富に含まれるショ糖や果糖のバランスだ。時間をかけて加熱されることでデンプンが爆発的に麦芽糖へと変化し、あのクリーミーで粘り気のある食感と濃厚な甘みが生まれる。単に甘いだけでなく、カロテンや食物繊維、ミネラルが豊富に含まれている点も、ヘルス意識の高い現代人の心を掴んで離さない理由となっている。