最新の理学療法・バイオメカニクスの知見によれば、肩の可動性や安定性を決定づけるのは「肩甲胸郭関節」の滑らかな滑り運動である。実は、肩甲骨は骨格全体の中で直接的な骨の結合が非常に少なく、胸郭(肋骨の籠)の上に浮いているような状態で筋肉によって支えられている。
バイオメカニクス研究者は、大谷のフォームを「肩甲胸郭関節が胸郭の上を滑るように自由に動き、体幹からの運動連鎖を無駄なく腕へと伝達している理想形」と評価する。肩関節だけに頼ったスイングや投球は、肩や肘のトラブルに直結する。肩甲胸郭関節をスムーズに動かすコンディショニングこそが、負荷を全身に逃がしながら、破壊的なエネルギーを生み出す鍵なのだ。