いくら高品質なJIS規格の絶縁テープを用意しても、巻き方がいい加減であれば本来の絶縁破壊電圧を担保できません。電気工事士が現場で叩き込まれる絶縁テープ正しい巻き方には、明確な工学的理由があります。
最大の原則は、テープ幅の半分が重なるように斜めにずらしながら巻き進める「半重ね(ハーフラップ)」です。半重ねを2往復(計4層)以上施すことで、ピンホールの重なりを完全に防ぎ、十分な厚みと絶縁耐力を確保します。
巻き付ける際は、テープを元の長さから約1.2倍〜1.5倍に軽く引っ張りながらテンションをかけて巻き付けます。PVCテープが持つ弾性回復力を利用することで、コード表面に強力に密着し、空気や湿気の侵入を阻止します。
重要なプロのノウハウが「巻き終わりの処理」です。最後の1〜2巻きは決して引っ張らず、テープを伸ばさない状態で軽くコードに添わせるように重ね、ハサミやカッターで直角に切断して指の腹でしっかり押さえます。最後まで引っ張った状態でちぎるように切ってしまうと、テープが元に戻ろうとする応力(収縮力)によって端部から徐々にめくれ上がり、数週間で剥がれ落ちる原因になります。