ドラッグストアの店頭やネット通販で最も頻発するトラブルが、「ホウ酸」と「ホウ砂」の買い間違いです。漢字が一文字違うだけでパッケージも似ているため同一視されがちですが、化学構造も用途も明確に異なります。最大の違いは、水に溶かした際の液性と分子構造にあります。
ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム十水和物:Na2B4O7・10H2O)は、水に溶かすと「弱アルカリ性」を示します。このアルカリ性環境下で電離するホウ酸イオンが、洗濯のりなどに含まれるポリビニルアルコール(PVA)の分子鎖同士を網目状に架橋結合させることで、特有の粘弾性を持つスライムが完成します。一方、ホウ酸単体を水に溶かしても「弱酸性」にしかならないため、PVAを効果的に架橋できず、スライム作りでホウ酸水を用いても液体のまま固まらないという失敗に陥ります。
スライム作りとホウ酸水の割合に関する誤った情報が拡散されるケースもありますが、スライム制作で正しく機能するのは「ホウ砂水溶液(ぬるま湯100mlに対してホウ砂約2〜5g程度)」です。両者の特性と用途の違いを客観的データで整理したものが以下の比較表です。