近年のテレビ視聴において「後からTVerで見ればいい」と考えるユーザーが急増していますが、日本レコード大賞に関しては見逃し配信に過度な期待を寄せるのは禁物です。
民放各局の見逃し配信サービス(TVer、TBS FREE、U-NEXTなど)において、一般的なバラエティやドラマは放送後1週間の無料配信が定着しています。しかし、レコ大の見逃し配信は過去の実績を見ても原則として実施されていません。TVerでリアルタイム配信(同時配信)が行われるケースはあっても、放送終了後のアーカイブ配信は権利上の理由から非対応となるのが通例です。
なぜ見逃し配信が極めて困難なのか。その背景には、音楽特番ならではの複雑な権利処理が存在します。生放送では、参加する各アーティストの所属事務所、原盤権を持つレコード会社、作詞・作曲者の著作権(JASRAC管理楽曲など)、さらにはフルオーケストラの演奏権やバックダンサーの肖像権が重層的に絡み合っています。これら全ての権利者に対してインターネット上でのVOD(ビデオ・オン・デマンド)再許諾を一括で取得することは、莫大なコストと交渉期間を要するため、民放特番のビジネスモデル上極めてハードルが高いのが実情です。
ネット上では「あとでYouTubeに公式切り抜きが上がる」「TVerでフル配信される」といった誤情報が散見されますが、公式な見逃しフル配信は存在しない前提で動き、リアルタイム視聴が難しい場合は必ず自宅のレコーダーで地上波録画予約を設定しておくことが唯一確実な自衛策となります。