現地の木々を丹念に観察すると、今年の河津桜は例年以上に力強い色づきを見せている。暖冬傾向と突発的な寒波が交互に訪れた影響で休眠打破が順調に進み、花芽の成長は極めて均一だ。松田町役場周辺の平地部と、高台に位置する公園上部では標高差による気温の違いがあり、これが開花時期に絶妙なグラデーションを生み出す。
現地関係者への取材によると、全体の開花ペースは平年並みからやや早め。見頃のピークは2月中旬から下旬にかけて訪れ、満開の時期には山全体が燃えるような桃色に包まれる。全国に点在する桜の名所・景勝地の中でも、これほど長期間にわたって濃密な花景色を維持できる場所は極めて稀だ。散り始めの時期には花吹雪と若葉の緑が重なり、また違った風情を醸し出す。