ペール缶からオイルジョッキや別容器へ注ぐ際、多くの人が直感的に「注ぎ口を下側」にして傾けてしまいがちだ。しかし、この注ぎ方こそが液跳ねやドバッとこぼれる「息継ぎ現象(サージング)」を引き起こす最大の引き金である。
注ぎ口を最下部にして液体を流し込むと、開口部が完全に液体で塞がれて缶内部が一時的な負圧状態に陥る。密閉された缶内に空気が無理やり割り込もうとする瞬間、流出が断続的に途切れ、ボコッという衝撃音とともにオイルが前方へ激しく飛散する仕組みだ。
このトラブルを防ぐペール缶のこぼれない注ぎ方の基本は、注ぎ口の向きを「一番高い位置(上側)」に配置して缶を傾けることにある。開口部の上側に常に空気の流入経路(エアライン)が確保されるため、缶内部が負圧にならず、粘度の高いエンジンオイルや作動油であっても細く一定の勢いでスムーズに流出させることが可能だ。