日本映画の歴史に燦然と輝く第96回アカデミー賞視覚効果賞の受賞。あの日、壇上で金のスタチューを掲げた姿は、単なる一監督の快挙にとどまらず、アジアの映像制作におけるエポックメイクな瞬間だった。絶賛を浴びた『ゴジラ-1.0』の凄みは、恐怖と圧倒的な臨場感、そして焦土からの復興に挑む人間ドラマの深さにあった。
思い返せば、彼の原点は常にノスタルジーと最新テクノロジーの高度な融合にあった。かつて『ALWAYS 三丁目の夕日』で昭和の街並みを情景豊かに再現し、国民的ヒットを生み出した手腕。『永遠の0』で空前絶後の空戦美を描き出した息をのむようなリアリズム。これまでのキャリアで培われた強固な地盤が、世界水準の怪物映画を結実させたのだ。単なるCGの見本市ではなく、心揺さぶるドラマの背景としてスクリーンに刻み込まれるVFX。それこそが、世界中の映画ファンを虜にした真の理由と言える。