施設を訪れる人がまず驚くのが、「入館料が完全無料」という点です。一般的なアニメ系ミュージアムや企画展では1,000円〜2,000円前後のチケット代がかかるケースが多い中、杉並アニメーションミュージアムは大人から子どもまで誰もが気軽に立ち寄れるオープンな姿勢を貫いています。
無料運営が可能な最大の理由は、同施設が杉並区の公共文化施設(杉並会館内)として運営されている点にあります。杉並区内には歴史ある大手スタジオから気鋭の制作会社まで多数のアニメ関連事業者が集積しており、名実ともに「アニメ産業の聖地」として知られています。区はこの産業資源を活かし、アニメの歴史や制作工程を広く知ってもらう啓発・観光拠点として2005年に本施設を開館しました。
また、施設名に冠されている「東京工芸大学」の存在も大きなポイントです。2018年、メディア芸術やアニメーション教育に強みを持つ同大学がネーミングライツ(施設命名権)を取得しました。単なるスポンサーシップにとどまらず、産学官連携によるワークショップの開催や展示協力など、教育と文化発信の相乗効果を生み出すパートナーシップが構築されています。