テクノロジーがケアの精度を上げる一方で、メディア環境の過激化は止まらない。YouTubeのショート動画やTikTokでは、わずか数秒のダンスシーンをスローモーション加工し、脇や胸元を過剰に拡大した切り抜き動画が数百万回再生を叩き出す現象が常態化している。
ABEMAなどのネット配信番組で繰り広げられるバラエティ企画でも、台本にない突発的なアクシデントや無防備な瞬間が即座にクリップ化され、ネット上に拡散される。過激なサムネイルで煽る芸能ニュースやまとめサイトの存在は、演者にとって精神的な脅威であり続けている。
クリック数を稼ぐために性的なニュアンスを強調して消費するデジタル空間の暴力性に対し、近年では所属事務所が肖像権侵害や名誉毀損として法的措置を講じるケースも増えてきた。切り抜き動画の氾濫は、エンタメの拡散力と個人の尊厳の境界線をどこに引くべきかという重い課題を投げかけている。