かつてワイヤーとブラケットが主流だった歯列矯正の世界は、透明なマウスピース型矯正の台頭によって劇的な変貌を遂げた。とりわけグローバルスタンダードとして定評のあるインビザラインは、目立たずに治療を進めたいビジネスパーソンや学生から圧倒的な支持を集め続けている。
装置を装着していても周囲に気づかれにくく、食事や歯磨きの際には自由に取り外せる利便性。この快適さが受診へのハードルを一気に下げたのは間違いない。だが、手軽に見える装置の裏側には、緻密極まりない歯牙移動の計算と設計が存在する。単にアライナーを交換していくだけでは、骨格や歯根の個人差に対応しきれないケースも少なくない。