どれほど優れた衝撃吸収クッションであっても、子供の力で簡単に剥がれてしまっては意味がない。逆に、剥がす際に高級家具の突板や塗装をバリバリと剥ぎ取ってしまうようでは本末転倒だ。いまベビー・キッズ用品業界において最も熾烈な開発競争が繰り広げられているのが、この「粘着と剥離」のトレードオフ領域である。
業界の決定打となったのが、3Mジャパン株式会社の最新アクリル系粘着テープ技術の応用だ。初期接着力はマイルドでありながら、装着後数時間で強いせん断接着力を発揮。力いっぱいの引っ張りや指でのほじくりには頑強に耐える一方で、ドライヤーの温風を当てながら剥がすと、残留糊(のり)を一切残さずに綺麗にオフできる特殊ポリマー構造が開発された。
安価な海外製無銘品にありがちな「数日で自然落下する」「家具の木目が丸ごと剥がれた」といったトラブルは、適切なテープテクノロジーを選択することで過去の遺物となりつつある。