伝統的な2D作画の枠組みを飛び越え、日本のアニメーション産業に大きな変革をもたらしたのが『STAND BY ME ドラえもん』の存在だ。原作の名エピソードを一本の連続した成長譚として再構築した本作は、単なるファミリー映画の枠を打ち破り、普段アニメ映画館に足を運ばない成人層をも巻き込む社会現象となった。
3DCGだからこそ表現可能となったキャラクターの微細な表情筋の動きや、実写映画に近い奥行きあるライティングは、かつて原作を読んでいた大人たちに「過去の自分」を再体験させた。少年時代の終わり、親友との別れ、そして責任ある大人への脱皮という普遍的なテーマを、最新の映像技術で見事に描き切った好例である。