銀杏を数粒だけ今夜の晩酌に添えたいとき、最も重宝されるのが「電子レンジ」を用いた加熱法だ。しかし、この手軽なアプローチには物理的な大事故の火種が潜んでいる。
銀杏は殻の内部が密閉空間に近く、高周波(マイクロ波)が照射されると内部の水分が一瞬にして気化する。その膨張した水蒸気圧が殻の耐圧限界を超えた瞬間、爆発音とともに庫内で粉々に吹き飛ぶ。最悪の場合、電子レンジのドアを押し開けたり、取り出した瞬間に顔の前で破裂して重度の火傷を負ったりする危険性がある。この破裂事故をゼロにするための現場テクニックは、以下の2点を徹底することに集約される。
1. 全ての粒に必ず「物理的な亀裂」を入れる
ペンチやキッチンバサミの殻割り部を使い、殻の継ぎ目に目に見えるヒビを確実に刻み込む。「少し欠けた程度」では蒸気の逃げ道として不十分であり、内部の薄皮まで貫通するしっかりとした割れ目を設けることが絶対条件となる。
2. 茶封筒の口を「三重にしっかりと折り返す」
割れ目を入れた銀杏(1回あたり10粒程度が適正)を茶封筒に入れ、少量の塩を振る。そして、封筒の口を2〜3回しっかりと折り畳む。万が一内部で実が弾けた場合でも、封筒がショックアブソーバーとなり庫内への破片飛散を防いでくれる。加熱の目安は500W〜600Wで40〜50秒。「ポン、ポン」と小気味よい破裂音が2〜3回聞こえた瞬間にスイッチを止めるのが、加熱しすぎてゴムのように硬化するのを防ぐベストタイミングである。