政界においても世代間ギャップの解消に向けた取り組みがなかったわけではない。かつて岸田文雄政権下で推進された「全世代型社会保障」へのシフトや、労働市場の流動化を訴える小泉進次郎氏らの発言は、改革への機運を一瞬高めた。高齢者の医療費自己負担比率の見直しや、社会保険の適用拡大など、痛みを分かち合うための提案は度々議題に上っている。
しかし、具体的な法案化や制度変更の局面を迎えると、有権者層の過半を占める高齢層からの激しい反発や、選挙への影響を恐れる与野党内の慎重論によって骨抜きにされてきた経緯がある。高齢者の支持を失うリスクを冒してまで、選挙で票になりにくい若者のために踏み込んだ改革を断行できる政治的リーダーシップは未だ確立されていない。抜本的な見直しは先送りされ、対症療法的な調整が繰り返されるのが現実だ。