小泉氏の政治的実力が冷徹に試されたのが、記憶に新しい自民党総裁選挙だった。世代交代の旗手として鳴り物入りで出馬したものの、討論会を重ねるごとに化けの皮が剥がれていくような失速感を露呈した。
解雇規制の見直しや年金改革といったセンシティブな論点において、詰め切れていない持論を展開しては党内外から猛反発を浴び、軌道修正を余儀なくされた。百戦錬磨のベテランである石破茂氏らと対等に渡り合うには、あまりにも政策的なバックボーンが脆弱だったと言わざるを得ない。「言葉のキャッチボールが成立しない」「台本がなければ深い政策論争ができない」という党内の冷ややかな見立てが、勝負どころでの支持離れを決定づけた。
総裁選後の党内力学においても、要職での重用と距離感の間で微妙な立ち位置が続いている。看板としての人気は欲するが、重要政策の舵取りを委ねるには危うすぎる。この党執行部の本音こそが、彼の政治家としての現在地を物語っている。