実写映画『美女と野獣』のキャスティングにおいて、全世界から圧倒的な支持を集めたのがベル役のエマ・ワトソンです。『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で世界的なアイコンとなった彼女は、国連女性親善大使としての活動でも知られる知性派。エマはオファーを受けた際、従来の「王子様を待つ受動的なプリンセス」ではなく、知性と行動力で運命を切り拓く女性として演じることを条件に引き受けました。
当時の海外特番インタビューにおいて、エマ・ワトソンは「ベルは活動的で、村の誰よりも広い世界を見据えている。だからこそ動きを制限するコルセットの着用を断り、実用的な乗馬ブーツを履くデザインを提案した」と明かしています。また、アニメ版では父モーリスの仕事だった「発明」をベル自身の特技として再設定し、村の少女たちに読み書きを教えるシーンを追加するなど、彼女自身のフェミニズム思想がキャラクター造形に深く反映されました。
一方、過酷な呪いに苦悩する野獣(王子)役を務めたダン・スティーヴンスは、全編にわたり高さ約25センチの竹馬のような特殊シューズと、重さ約18キログラムのパデッドスーツを身にまとい、モーションキャプチャ撮影を敢行。繊細な表情の変化をトラッキング技術「モバ(MOVA)」で後から合成するという極限の演技手法に挑み、野獣の内に秘めた教養と孤独、そして人間性への回帰を見事に表現しました。
さらに物語の起爆剤となったのが、ガストン役のルーク・エヴァンスとル・フウ役のジョシュ・ギャッドの名コンビです。ウェストエンドやブロードウェイの舞台で鍛え上げられた2人の歌唱力とコミカルかつス癖のある演技は、単なる悪役にとどまらない強烈なインパクトを観客の脳裏に焼き付けました。