超高層ビルの最大の弱点は「縦の分断」だ。エレベーターでの移動は、異なる階にいる人々との偶然の出会いを遮断してしまう。これに対し、本建築が持つ最大の強みは「圧倒的なワンフロアの広さ」にある。
東西に長く伸びる中央廊下を歩けば、必然的に他社のエンジニアや起業家とすれ違う。途中に設けられたオープンラウンジやカフェスペースでは、立ち話から新しい共同プロジェクトが発足することも珍しくない。偶然の出会いから生まれるイノベーション、いわゆる「セレンディピティ」を誘発する空間設計が、この巨大な平坦空間には仕組まれている。