近年、ポップカルチャーにおける感情の扱い方も大きく変化してきた。ディズニー&ピクサーの映画『インサイド・ヘッド』のように、悲しみや不安といったネガティブな感情の存在意義を正面から描く作品が評価されている。すべての感情には固有の役割があり、「常にポジティブでいなければならない」という脅迫観念から人々を解放しつつある。
Netflixなどの配信プラットフォームで話題を集めるドキュメンタリーやドラマでも、登場人物が記念日に孤独を感じるリアルな描写が増えた。完璧な誕生日パーティーの幻想が打ち砕かれ、葛藤や静かな時間を肯定するストーリーテリングが受け入れられている。これは、現代社会が「祝祭の裏にある陰影」を素直に認め始めた証左と言える。