和室の砂壁や土壁、珪藻土壁にカビが発生した場合、ビニールクロスと同じ感覚で液体洗剤を吹き付けると取り返しのつかない事態に陥ります。清掃業者への相談事例でも、「ネットの情報を鵜呑みにして砂壁に漂白スプレーをかけたら、壁がボロボロと崩落して巨大なシミが残った」という悲鳴が毎年多数寄せられています。
砂壁の主原料は砂や鉱物、天然糊であり、水分を急速に吸収する性質を持っています。水分を含むと糊が加水分解を起こして結合力を失い、表面が剥落してしまうのです。和室のカビに対して現場のプロが実践するアプローチは以下の通りです。
- 無水エタノール+刷毛(ハケ)によるピンポイント塗布:水分をほぼ含まない無水エタノールを刷毛に少量含ませ、カビの発生箇所に優しく叩き込むように浸透させて菌を死滅させます。
- 乾燥後のブラッシング:完全にエタノールが揮発して乾燥したことを確認後、柔らかい毛のブラシやハケを使って、死滅したカビの粉末を掃除機で吸い取りながら優しく払い落とします。
- 変色部分の対応:砂壁の奥まで黒カビの色素が沈着している場合、薬剤での完全漂白は不可能です。削り落として部分補修するか、上から防カビ配合の砂壁材を塗り重ねるのがプロの標準的な補修工法となります。