事件が発生したのは2016年5月28日の夕刻でした。北海道七飯町の鹿部町へと続く山中の林道で、小学2年生だった田野岡大和(たのおか やまと)くんが突然姿を消しました。当初、両親は警察に対して「家族で山菜採りをしている最中にはぐれてしまった」と通報していましたが、警察や消防による大規模な捜索が始まると、事態は思わぬ方向へと展開します。
通報から数時間後、父親は警察に対して「実はしつけのために山中で車から降ろし、置き去りにした」と告白しました。公園で人や車に石を投げた行為を叱るため、林道で車から降ろして約500メートル走り去り、数分後に現場へ引き返したものの、すでに大和くんの姿は消えていたといいます。
現場周辺は街灯が一切ない鬱蒼とした山林であり、道内でも有数のヒグマ出没警戒地域でした。夜間には気温が10度を下回り、冷たい雨が降りしきる悪天候のなか、警察や消防、自衛隊員ら延べ900人以上が動員された大規模捜索が昼夜を問わず続けられました。手がかりがまったく掴めないまま時間だけが経過し、世間には絶望的な空気が漂い始めていました。