朝日新聞の慰安婦報道は何が問題だったのか?誤報撤回と国際的真相

朝日新聞の慰安婦報道は何が問題だったのか?誤報撤回と国際的真相

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国内で記事が取り消されたとしても、一度世界に拡散した情報は容易には修正されません。その象徴が、1996年に国連人権委員会へ提出された「クマラスワミ報告書」です。ラディカ・クマラスワミ特別報告者がまとめた同文書は、慰安婦を「性奴隷(military sexual slavery)」と規定し、日本政府への公式謝罪と賠償を勧告しました。

この報告書の第29項には、女性を組織的に連行した根拠として吉田清治氏の著書が明記されていました。日本政府は2014年の朝日新聞による記事撤回を受け、クマラスワミ氏に対して記述の削除・修正を申し入れましたが、同氏は「吉田証言は報告書の構成要素の1つに過ぎず、元慰安婦らの直接証言があるため全体的な結論は変わらない」として修正を拒否しました。

この流れは米国や欧州の公論へも波及しました。2007年の米国下院における慰安婦非難決議(121号決議)や、米国内各都市での慰安婦像・記念碑の設置運動において、朝日新聞がかつて報じた「強制連行」のイメージは、反論を封じるための強力な論拠として使われ続けたのです。

日本政府と韓国政府は2015年12月28日、岸田文雄外相(当時)と尹炳世外相(当時)による共同発表で「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を確認する日韓合意を締結しました。しかし、その後の韓国政権交代や市民団体の反発により、合意に基づく財団が解散されるなど、一度こじれた歴史認識の対立は修復に多大な政治的コストを要することとなりました。

伊藤 翔太
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伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。