個性的でありながら人間味に溢れるキャラクター造形も、ファン層を拡大させた大きな要因です。鬼殺隊の最高戦力である「柱(はしら)」の面々は、初登場時こそ異様な威圧感を放ちますが、物語が進むにつれてそれぞれの壮絶な過去や不器用な優しさが明らかになっていきます。
公式ファン投票や各種人気ランキングでも常に上位を争う冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)、煉獄杏寿郎、時透無一郎(ときとう・むいちろう)をはじめ、どのキャラクターも一握りの才能だけで戦っているわけではありません。それぞれが深い喪失や葛藤を抱え、それでも歯を食いしばって前を向く姿に、読者は強い感情移入を覚えます。
また、同期の我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)や嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)が見せるギャグシーンの親しみやすさと、シリアスな戦闘時の覚醒描写とのギャップも秀逸です。重い世界観の中に適度なユーモアを差し挟むことで、読者が疲弊することなく物語に没入できる工夫が凝らされています。