2026年6月に施行された改正動物愛護管理法により、犬猫へのマイクロチップ装着および環境省データベースへの登録が義務化されました。これを受け、一般の飼い主の間では「体内チップがあるから首周りには何も付けたくない」という声が一部で聞かれます。しかし、動物愛護センターや警察関係者の現場データによると、迷子犬の返還スピードにおいて迷子札の有無が圧倒的な差を生んでいます。
マイクロチップは皮下に埋め込まれた直径約1.4〜2ミリ、長さ8〜12ミリ程度の円筒形電子タグであり、専用のスキャナー(読み取り機)をかざさなければ15桁の識別番号を確認できません。スキャナーを配備しているのは自治体の動物愛護センター、警察署の一部、および動物病院に限定されています。もし公園や住宅街で一般市民が迷子犬を保護した場合、その方がわざわざ仕事を休んで動物病院へ連れて行き、リーダーで読み取ってもらうまで飼い主の特定は一切進みません。
一方で、外見からひと目で確認できる迷子札が装着されていれば、保護したその場でスマートフォンから飼い主へ直接電話をかけることが可能です。保護からわずか数十分で再会を果たせるケースも多く、保健所への収容や預かり中の脱走といった二次リスクを完全に排除できます。自治体や動物保護団体の現場ヒアリングでも「初動の数時間が生死を分ける現場において、アナログな迷子札こそが最も即効性のある命綱」と指摘されています。