護廷十三隊でも極めて珍しい「二刀一対」の斬魄刀として知られる花天狂骨ですが、その本質には伊勢家にまつわる哀しい宿命が隠されていました。尸魂界(ソウル・ササエティ)の制度において、本来の斬魄刀は一本であり、二刀となるのは特殊な理由が存在します。
京楽の斬魄刀の本体は長刀の「お花(花天)」であり、大人の妖艶な女性の姿をした本体霊です。一方、短刀の「狂骨」は、幼い童女の姿をしています。この狂骨の正体は、伊勢家の当主代々に受け継がれる神剣「八鏡剣(はっきょうけん)」を隠すために、お花が生み出した影のような分身でした。
伊勢家の女系に伝わる八鏡剣は、神の力を反射する無二の神器である一方、「夫となった男が早逝する」という呪いを持っていました。七緒の母は娘を呪いから守るため、京楽に八鏡剣の隠匿を依頼。京楽はお花に頼んで狂骨を生み出させ、その胎内に八鏡剣を封じ込めて守り続けていたのです。リジェ戦で狂骨が体内から八鏡剣を取り出し七緒に渡すシーンは、京楽が背負い続けてきた誓いと絆が結実した屈指の名場面です。