劇場公開が叶わなかった一方で、Web配信においては中国版の「特別修正版」が流通しています。その規制内容は日本のオリジナル版と比較すると驚くべき改変が加えられています。
代表的な事例が主人公・竈門炭治郎の「耳飾りデザインの修正」です。オリジナル版の耳飾りにある放射状の線が「旧日本軍の旭日旗を想起させる」としてアジア圏の一部で議論を呼んだことを受け、中国配信版では横線のみで構成された別デザインに差し替えられました。
さらに、ビジュアル表現に対する検閲修正は多岐にわたります。
- 流血・欠損描写の抑制:血飛沫が黒や灰色に変色、または発光エフェクトで覆われ、切断シーンは不自然な画面ズームや暗転で隠される。
- 女性キャラクターの肌露出カット:「遊郭編」に登場する堕姫(だき)や宇髄天元の妻たちの胸元・衣装に布が描き足され、肌の露出面積を大幅に削減。
- セリフのローカライズ:過度に暴力的・反社会的な言い回しが穏当な表現へと翻訳段階でマイルド化。
こうした規制に対し、中国のSNS「Weibo(微博)」や知恵袋的サービス「知乎(Zhihu)」ではファンの生々しい本音が飛び交っています。
「パッチワークのように布を足されたアニメを見るのは興ざめする」「大人のファンに向けた表現がすべて子供向けに丸め込まれている」という不満の声が根強く存在する一方、「検閲が厳格化する昨今の中国で、正規ライセンスで配信してくれるだけでプラットフォームに感謝すべきだ」「修正版を見つつ、VPNを使って無修正版を保管するのがファンの嗜み」といった、規制社会の中で独自の折り合いをつけるリアルな実態が浮かび上がっています。