ネット空間で「高齢者ばかり」という言説がここまで先鋭化した背景には、テレビメディアとSNS双方のメディア構造が影響しています。
テレビ局をはじめとする大手メディアは、ニュース番組としてのインパクトを重視するあまり、最も声が大きく動きのあるデモの先頭集団を集中的にカメラで追いました。その結果、画面には必然的に市民運動に慣れた熱心なシニア層がクローズアップされることになります。
一方のSNS(特にX)では、デモ現場の特定の瞬間を切り取った画像が拡散され、アルゴリズムによって過激な意見や冷笑的なコメントが上位に表示されやすい環境が作られました。これにより、「熱狂的に反対する高齢者」対「冷ややかに見守る若者」という単純化された対立フレームが一人歩きしてしまったのです。
実際には、静かに疑問を抱いてデモには参加しなかった現役世代や、国葬という形式そのものに違和感を持ちつつも沈黙を選んだ若者も多数存在していましたが、極端な構図によって中間層の声が埋もれてしまった側面は否めません。