数あるトラブルの中でも、SNS上で瞬時に拡散されやすいのがTBS『news23』で発生した音声トラブルの原因です。テレビの副調整室(サブ)では数十系統に及ぶ音声フェーダーがリアルタイムで操作されていますが、ほんの一瞬の操作遅延や設定ミスが致命的な放送事故を引き起こします。
典型的な原因の一つが、マイクの「カフスイッチ」連動ミスとフェーダーの戻し忘れです。キャスターが咳払いや確認のために一時的に音声を絞る操作と、ミキサー卓側でのフェーダー制御が食い違った結果、意図しない音声が電波に乗ってしまう現象が発生しました。また、スタジオ内のピンマイクが高性能化したことで、スタジオ奥にいるフロアディレクターの指示出し音声まで集音してしまうケースも報告されています。
一方、映像トラブルに関しては、デジタル送出サーバーの読み込み遅延やファイル変換エラーが主因です。撮って出しと呼ばれる放送直前の編集素材を急遽オンエアに乗せる際、レンダリング処理が間に合わず、画面が暗転したり前後のカットが重複再生されたりする現象が起こりました。技術革新が進んだ現代においても、秒単位の攻防が続く報道現場特有の構造的課題といえます。