同じ年数を働いているにもかかわらず、なぜこれほど残酷な差が開いてしまうのでしょうか。その背景には、日本の雇用慣行に根差した学歴格差決定的な理由が存在します。
① 昇給カーブの傾き(30代以降の賃金格差拡大)
若年層における高卒初任給推移は、昨今の深刻な人手不足を受けて高卒初任給が20万円台に乗るケースが増加しており、一見すると大卒との差が縮小しているように見えます。しかし問題は「昇給のペース」です。高卒の賃金ピークは50代前半で年収450万〜550万円程度で頭打ちになりやすいのに対し、大卒は50代で年収700万〜900万円近くまで伸び続けます。
② 役職・昇進の「見えない天井」
多くの日本企業において、課長職・部長職といったライン管理職や執行役員への登用ルートは、依然として大卒・大学院卒を前提とした総合職区分に偏重しています。高卒入社者は「一般職」「地域限定職」「技能職」に配置される割合が高く、役職手当の加算や賞与月数の伸び代に制限がかかりがちです。
③ 企業規模(大企業と中小企業)の比率
高卒採用枠の多くは中小零細企業や地方事業所が担っている割合が高く、資本力のある大手企業への就職率は大卒に比べて低くなります。福利厚生、手当、退職金制度の充実度が企業規模に直結するため、所属する企業の体力差が生涯年収の開きとして積み上がっていきます。