演劇において最も難しいとされるのが「間」のコントロールだ。台詞を発していない瞬間に、いかにして観客の視線を惹きつけ、劇的な緊張感を維持できるか。そこに名優の真価が問われる。
長年の経験に裏打ちされた間の取り方は、まるで呼吸のように自然でありながら、計算し尽くされた建築物のような美しさを持つ。また、古典の枠組みを厳格に守りながらも、演出面において常に新しい感覚を取り入れる柔軟さを忘れない。古典とは固定化された過去の遺物ではない。常にアップデートされ続ける動的な表現媒体であることを、その舞台が証明している。