その輝かしいキャリアの出発点は、日本政府の外交を担う外務省にあった。1974年の入省以来、環境、貿易、経済協力など多岐にわたる分野で手腕を発揮。特にパリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)事務次長としての就任は、日本人として国際機関のハイレベルポストで成果を上げた象徴的な事例として知られる。多国間における通商交渉や開発援助の指針作りにおいて、緻密なロジックと穏やかな物腰を武器に、各国の利害を調整してきた。
国際連合における広報のトップとしての活躍は、世界中のメディアと向き合い、国連の活動とその理念を世界中に広める大役であった。平和維持活動や人道支援の最前線で何が起きているのかを正確かつ迅速に届けるタスクは、時に国際政治の渦中で強い圧力を受ける。しかし、一貫して透明性と対話を重視した姿勢は、国際公務員としての理想像を体現していたと言える。