阪急十三駅を降りると、漂ってくるのは香ばしい煎り胡麻と自家製辣油の甘美な香りだ。古くからディープな酒場街として知られたこの街が、いまや全国のラーメン・外食産業の識者たちから「最先端の旨辛実験場」として熱い視線を浴びている。
王道の四川坦々麺が持つ深いコクはもちろん、ここ数年で圧倒的な支持を集めているのが濃密なダレと極太麺が絡み合う汁なし坦々麺だ。器の底に潜むタレ、挽き肉、ナッツ、スパイスを豪快にかき混ぜる。最初の一口で口内に広がる複雑な旨味と刺激。各店舗が凌ぎを削ることで、味覚の多様化はとどまる気配を見せない。