かつて日本の寿司文化を世界に広めた「水上を漂う皿」は、ここには一切存在しない。あるのは上下3段に設置された直線型の配送レーンだ。客がタッチパネルでマグロやサーモンを注文した瞬間、厨房で握られた皿が専用の高速ミニトレインに載せられ、わずか十数秒で目の前に滑り込んでくる。
「ピピッ」という電子音とともにピタリと止まる精度。皿を取ってボタンを押せば、マシンは一瞬で厨房へとバックで戻っていく。この無駄を極限まで削ぎ落としたレスポンスが、訪れる者の狩猟本能を刺激する。食べたいものを頼み、数秒後に口へ運ぶ。テンポの良さはもはやアーケードゲームの域に達している。