コンビ活動休止後、振付師や舞台俳優、裏方のアルバイトをしながら芸を磨いていた彼が一躍脚光を浴びたのが、2008年の『R-1ぐらんぷり』でした。敗者復活枠から決勝の舞台へ駆け上がり、中年の哀愁を漂わせる係長が突如としてマイケル・ジャクソンばりの超絶ステップを踏むネタを披露。会場と視聴者に強烈なインパクトを与え、見事に準優勝を果たしました。
なぜ、あの巨漢でプロレベルのステップが踏めるのか。その理由は彼のバックボーンにあります。10代後半で地元・北九州市門司区から上京した彼は、もともとプロのダンサーを志しており、六本木のショーパブでダンサーとしてステージに立っていた経歴を持ちます。タップダンス、ジャズダンス、ヒップホップなどあらゆるジャンルの基礎を徹底的に叩き込んでいました。
ブレイク以前からアイドルグループや有名アーティスト、テーマパークの振付を手がける職人肌のクリエイターでもありました。「太ったおじさんが実は超一流のダンサー」というギャップは、一夜漬けで作られたものではなく、数十年にわたるダンサーキャリアの裏付けがあってこそ生まれた至高のエンターテインメントだったのです。