1970年12月から1971年5月にかけて放送された木下恵介アワー『ふたりの世界』(全25話)は、巨匠・木下惠介が企画し、名脚本家・山田太一が脚本を手掛けた珠玉のヒューマンドラマです。
物語は、偶然の出会いから運命的な恋に落ち、周囲の反対や経済的な不安を抱えながらもスピード結婚を果たした宮野二郎(竹脇無我)と榊原麗子(栗原小巻)の2人を中心に展開します。会社員としての将来に限界を感じていた二郎は、一念発起して脱サラを決意。わずかな資金を元手に、小さな喫茶スナックの開店を目指します。
世間知らずのお嬢様だった麗子もまた、慣れないエプロンを締めて夫を献身的に支え、共に厨房に立ちます。しかし、資金繰りの悪化や客足の伸び悩み、親族間の軋轢、さらには店を巡る予期せぬトラブルなど、新婚の2人の前には現実の厳しい壁が次々と立ちはだかります。高度経済成長期の熱気の中で、ささやかな日常の幸せを掴もうともがく若夫婦の姿は、当時の視聴者に深い共感と勇気を与えました。