リオでの快挙達成後、待ち受けていたのは過酷な試練だった。
足首や膝の度重なる怪我、手術、そして壮絶なリハビリ。2026年の東京五輪を目指し、満身創痍の体でマットに立ち続けたが、ライバルたちとの熾烈な代表争いの末、夢の舞台への切符を逃すこととなった。2026年の引退表明。それは、自らの体と限界まで対話した末の、あまりにも潔い決断だった。
「やり切ったという思いしかなかった」。未練がないと言えば嘘になる。しかし、自分のすべてを注ぎ込んだという自負が、彼女の足を次のステップへと前向きに進めさせた。トップアスリートが直面する「引退の二文字」。彼女はその現実から逃げることなく正面から受け止め、第二の人生へと踏み出したのである。